さくら森:今日はエラリー・クイーンの「Xの悲劇」を紹介するよー
石井:オーケー!いってみましょう!
石井:エラリー・クイーンって有名なんですか?
さくら森:有名だよ、特にこの日本では人気のあるミステリー作家、アガサ・クリスティーの次位に人気がある。
石井:へー日本で特にですか。
さくら森:「Xの悲劇」はドルリー・レーンという探偵が活躍する作品で、「Xの悲劇」「Yの悲劇」「Zの悲劇」「レーン最後の事件」とレーン四部作の最初の作品。ちなみに当時はバーナビー・ロスという偽名で出してたんだよ。
石井:別名で出してたんですか変わってますね。
さくら森:小説の最初にそれについて理由も書いてある。それはそうと、まず登場人物ね。
- ロングストリート(株式仲買人)
- ドウィット(ロングストリートの共同経営者)
- ファーン(ドウィットの妻)
- ジーン(ドウィットの娘)
- クリストファー・ロード(ジーンの婚約者)
- エイハーン(ドゥィットの隣人)
- チェリー・ブラウン(女優、ロングストリートの婚約者)
- ポラックス(俳優)
- アンぺリアル(ドゥィットの知人)
- コリンズ(公務員)
- アンナ・プラット(ロングストリートの秘書)
- チャールズ・ウッド(車掌)
- ホワン・アーホス(ウルグアイの領事)
- ライオネル・ブルックス(弁護士)
- ブルーノ(地方検事)
- サム(警視)
- シリング(検死医)
- ドルリー・レーン(探偵)
石井:多いですねー
さくら森:確かに多い。
石井:でっどんな話なんですか?
さくら森:ドルリー・レーンっていう60歳で元俳優の探偵がこの物語の主人公、この人が謎を解いていきます。
ロングストリートとドウィットは株式仲買人の会社を二人で経営して。ある日ホテルの一室でロングストリートの婚約パーティーが開催されます。
その後場所を変えてロングストリートの家に皆で飲み直そうとなり、市街電車に乗り込みます。ここで最初の殺人事件が起こります。
雨で満員の市街電車に乗り込んだあと、ロングストリートがポケットに入っていた毒針(針を突き刺したコルク玉)に手を触れ電車内で死亡します。
ドルリイ・レーンはこの依頼を受けてすぐに犯人が誰だかわかっちゃうんだけど、確実な証拠がなく犯人を泳がせます。
次にチャールズ・ウッドという男が殺されます。こんな感じで第三の殺人事件も発生し、あっと驚く結末が待っています。
石井:なんだか複雑そうですね。レーン探偵は最初から犯人解っちゃうんですか?
さくら森:そうみたい、「私はこの犯人が誰だか見当がついている」と言っちゃうんだよ。
石井:もったいぶって言わないんですか?
さくら森:自分もそこがね、もったいぶって後半まで行く・・・
この作品自体は1932年のもので古くて話が長く感じるけど、更に知っているくせに長く引っ張るなよってなる。
石井:古い映画とかもありますよね。ダラダラ長いの。
さくら森:ダラダラ長くって感じじゃないけどね。読んでいくと後半から止まらなくなる。ただ、レーン探偵のシェイクスピアの例えとか、ちょっとクドイし、「またかよっ!」てなる。
石井:パンクな探偵って感じではない?
さくら森:そうだね、どっちかというとプログレな感じだ。
石井:久しぶりのパンク節を聞きました、なるほどわかりやすい。
さくら森:きれいにまとまった作品だとは思うよ。なんだろ、優等生的で遊びがないかもね。
石井:きっちりした作品ってことですね。
さくら森:うん。ただ、ミステリーの古典的名作だから必読です。犯人Xが積年の恨みをはらすために5年の計画で行った犯行すごいです。