
side-A
- 揺れるまなざし
- 君は100%
- YES-NO
- Lucky Chanceをもう一度
- 君だけに
side-B
- 木綿のハンカチーフ
- DANCE
- 夏をあきらめて
- 心の色
- ルビーの指輪
- SHOW ME
さくら森:これ分かる?曲名ね。一応内容に沿っている曲みたいだけど、ちょっと細かくは俺はわからないや。2004年にこの小説が発行されたんだけど物語の時代は1986年から1987年頃の話です。
side-A 登場人物
- 鈴木夕樹(たっくん)
- 望月大輔
- 大石
- 松本優子
- 成岡繭子
- 青島ナツコ
- 渡辺和美
望月に合コンに誘われた鈴木夕樹(以下たっくん)は女性が苦手な彼女のいない大学生。嫌々ながら合コンに参加しするが、成岡繭子(以下マユ)というショートカットで色白の小柄でほっそりした女性に恋をし、その後はたっくんとマユの甘ーい恋愛ストーリーが続きます。
side-B 登場人物
- たっくん
- マユ
- 海藤(かいどう)
- 石丸美弥子
- 梵(ぼん)
- 天童(てんどう)
side-Bではたっくんとマユの遠距離恋愛が始まります。たっくんは社会人となって東京での生活、マユは地元静岡での生活が続きます。しかし東京の新社会人たっくんと静岡のマユとの関係には無理が生じてきます。マユは妊娠するが堕胎し、やがて喧嘩も増え二人は別れ、たっくんは同期の石丸美弥子と付き合うようになります。
石井:しょちょ~がんばりましたね。単純明快なあらすじ。
さくら森:あらすじっていうけど、この小説のあらすじ単純そうで難しいんだよ。
石井:ところで、そのあっと驚くことを教えてくださいよ~
さくら森:そうだね・・・
以下ネタバレです注意してください
さくら森:この物語の最後、つまりside-Bの一番最後に石丸美弥子が主人公の鈴木夕樹(たっくん)を「辰也」って呼ぶんだよ。
石井:う~んどういうことですか?
さくら森:俺ら読者はside-Aからずーと鈴木夕樹(たっくん)が主人公で鈴木夕樹(たっくん)の目線で物語を追ってる訳なのね。石丸美弥子と鈴木夕樹(たっくん)が付き合ってると思ってるの。
石井:それが実は違う男「辰也」だったってことですか。
さくら森:途中から俺ら読者は鈴木辰也目線の物語に入れ込まれてたんだよ。
しかも、side-Aからずっと清純キャラで純愛を通していた成岡繭子(マユ)は鈴木辰也と鈴木夕樹に二股をかけてたという。
石井:???
さくら森:つまり
side-A & side-B
- 鈴木夕樹(たっくん)静岡に住む大学4年生
- 成岡繭子 静岡に住む、社会人1年目の歯科衛生士
- 鈴木辰也(たっくん)静岡から東京へ転勤した「慶徳ギフト」新入社員
- 石丸美弥子 鈴木辰也と動機「慶徳ギフト」勤務
物語はside-Bから始まるが、side-Aとside-Bは同進行していきます。
鈴木辰也(たっくん)と成岡繭子付き合っていて、辰也は7月から東京へ転勤となる。ここから東京と静岡の遠距離恋愛が始まる。
東京勤務の1週間が過ぎた頃に歓送迎会があり、同じ頃に成岡繭子は合コンで鈴木夕樹に出会う。
成岡繭子のさりげなく、積極的なアプローチにより鈴木夕樹と成岡繭子は付き合うようになる。
この時点で、成岡繭子は鈴木辰也と鈴木夕樹に二股をかけている状態。
成岡繭子は鈴木夕樹との最初のデートでたっくんと言ってしまいそうになり、話をごまかす。間違いを犯さないよう?鈴木夕樹(すずきゆうき)の「夕」がカタカナの「タ」に読めるという強引な理由により、東京の恋人辰也と同じ呼び名たっくんと呼ぶようになる。
成岡繭子は鈴木夕樹はデートを重ね男女の関係となる。繭子は鈴木夕樹が初体験と言っているが、この少し前に辰也との子どもを堕胎している。
東京での辰也は石丸美弥子と関係をもつようになる。ある日静岡に帰って繭子と過ごしている時にうっかり「美弥子」と言ってしまい二人は破局。正式に石丸美弥子と付き合うようになる。
クリスマス夜、石丸美弥子の実家で食事に誘われ過ごしていた鈴木辰也は「何考えてるの、辰也?」と美弥子に声をかけられ、実は鈴木辰也だったと読者は気づく。
石井:最大の仕掛けは成岡繭子は二股をかけていて、その二股をかけられている二人の男目線の物語?
さくら森:そう、それと最後のページで石丸美弥子が彼氏に「何考えてるの、辰也?」と声をかける。読者は「え?辰也って誰ですか?」って頭がハテナになっちゃうんだよ。
石井:仕掛けてますね。
さくら森:あと、side-A、side-Bだけどこれは昔のカセットテープとかレコードとかのA面、B面を表していてA面を聞いている時はB面も一緒に回っていること意味してる。
石井:奥が深いですね。
さくら森:物語の中にもいろいろな伏線や仕掛けが入っていて、恐ろしい小説だよ。